漫湖では季節によって、いろいろな生き物を観察できます。
■漫湖の見どころ
水鳥
漫湖は水鳥たちの楽園とよばれるほど、多くの水鳥がみられます。これまでに、170種以上の鳥類が観察されています。また、クロツラヘラサギなど世界的にも数が少ない貴重な鳥もやってきます。
豊富な底生生物
水鳥たちの餌ともなるカニ、貝、ゴカイの仲間など、様々な底生生物が生息しています。色鮮やかなシオマネキ類や、夏になると干潟を埋め尽くすほど多くみられるヒメヤマトオサガニ、その他日本では漫湖でしか見つかっていないモモイロサギガイなどもいます。
マングローブ林
とよみ大橋の南側にはマングローブの林が広がっています。観察には、マングローブを間近に観察することができる漫湖水鳥・湿地センターの木道がお勧めです。漫湖でみられるマングローブ植物は主にメヒルギですが、ヤエヤマヒルギとオヒルギも一部に生育しています。1990年頃まではマングローブがほとんどみられなかったようですが、近年の急速な分布拡大が問題になっています。
■おすすめ観察時期
鳥をみたい!
11月~2月ごろがおすすめ。 ※ 満潮と干潮の時間はさけて!
漫湖でみられる渡り鳥の数は、例年11月~2月ごろにピークを迎えます。中でも多いのがムナグロで、例年100個体以上が観察されています。またこの時期には、ハマシギ、ダイゼン、アカアシシギ、ダイシャクシギなども見られるほか、ムクドリ、ギンムクドリ、ホシムクドリなどのムクドリ類が夕方になると漫湖周辺に集まってきます。
秋の渡りは7月の下旬ごろに始まります。主な種では、キアシシギが8月ごろ、トウネンは9月ごろが飛来数のピークです。春の渡りは2月に始まり5月中旬ごろまで続きます。5月下旬~7月の間は鳥の数が少なくなりますが、コサギ、ダイサギ、ミサゴなど一年中見られる種に加えて、コアジサシなどの夏鳥が観察できます。
ポイント!
大まかにいうと、水鳥を一番観察しやすいのは、干潮から満潮にかけて潮が上がってくる時間帯です。この時間帯には、広い干潟のあちこちに散らばっていた鳥たちが、水位が上がるにつれて観察ポイントに近い陸側へと移動して来ます。このため、様々な種類の鳥たちを比較的近い距離で観察することができます。とよみ大橋から観察する場合だと、那覇港の潮位で+130cm前後の時間帯がおすすめです。
満潮時には漫湖の干潟の大部分が水面の下に沈み、多くの鳥は木の上で休んだり他の湿地に移動したりするので、観察には向いていません。ただし、漫湖の中では陸側に位置する漫湖水鳥・湿地センターの木道から水鳥を観察される場合は、満潮時前後の時間帯が一番見やすいです。しかし、みられる種の数や個体数は限られます。
一方干潮時には、水鳥の多く、特にトウネンやソリハシシギをはじめとする開けた環境を好むシギ・チドリ類が、干潟で採餌する姿を目にすることができます。しかし、漫湖水鳥・湿地センターやとよみ大橋などから、かなり離れた位置(200~400m程度離れた国場川本流付近など)に集まっていることが多いため、フィールドスコープの携行がお勧めです。
クロツラヘラサギを見たい方は…
12月~4月ごろがおすすめ。
例年10月下旬~12月上旬に飛来し、5月頃まで見られます。飛来数は年によってばらつきが大きいのですが、数羽~10羽程度です。また、クロツラヘラサギは漫湖周辺の他の湿地とよく行き来するようで、シーズン中であっても日や時間によっては漫湖で見られないことがあります。なお、年によっては越夏する個体がいることもあります。
カニを観察したい方は…
6月~9月の干潮の昼間がおすすめ。
一般的に、気温が高いほどたくさんのカニが観察できます。そのため、季節でいうと6月~9月にかけての夏がお勧めです。また、満潮になるとと漫湖の大部分が水に沈んでしまい、カニ達は穴の中に隠れてしまいます。干潮の時間を狙ってみてください。満潮の後に潮が引き始める時間は、穴から出てきたばかりのカニが活発に活動する時間です。
オカガニ類など、日中は穴の中で過ごす夜行性の種もいますが、安全面と観察のしやすさを考えると、昼間の観察がお勧めです。10月以降涼しくなってくると、みられるカニの種数や個体数ともに減ってきます。
マングローブを観察したい方は…
一年中見られます。
マングローブは一年中観察することができます。ちなみに漫湖に多く生育するメヒルギは6~8月ごろ開花し、その後少しずつ種が大きくなっていき、次の年の3月頃に実が熟します。