漫湖の自然と環境 | Habitat Types of Manko Wetland

漫湖は海・川・陸が接する場所で、水域・泥干潟・マングローブ林・ヨシ原という異なった環境が、比較的狭い範囲に隣り合って分布しています。また、それぞれの自然環境が接する場所では、地盤の高さや土壌の状態、塩分濃度などがゆるやかに変化し、多様で豊かな漫湖の自然を作り出しています。

水域

国場川と饒波川の本流付近は、干潮時でも水が流れている「水域」です。水域では様々なやカニなどが暮らしています。上流から下流へ、海に近づくにつれて見られる種は少しずつ変化し、河口付近では海水魚も見られます。


泥干潟

干潮時には、およそ50ヘクタールの泥干潟が出現します。遠くから見ると何もない空間のようにもみえる泥干潟ですが、近くから見ると表面にたくさんの穴が開いていることに気づきます。この「穴」は、カニや貝、ゴカイの仲間といった、大きさも形も様々な「底生生物」によって作られたものです。このような底生生物は、泥の中に穴を掘ったりもぐったりすることで、泥をかきまぜて空気を送り込む役目をしたり、泥の中の有機物を食べることで、底質や水質を浄化する働きをしています。

また、冬になると泥干潟はシギ・チドリ類などの水鳥たちでにぎわいます。水鳥たちは泥干潟を餌場として利用しています。種類ごとに特徴のあるくちばしを使って、泥の中にすむ底生生物を捕まえて食べる様子が観察できます。


マングローブ林

とよみ大橋の南側には、緑のじゅうたんを敷き詰めたようにマングローブ林が広がります。マングローブ林でみられる樹木は、ふつうの林と違って、水の中に生えています。マングローブ林の中には、小さな水路(澪すじ)や泥の堆積、ゆるやかな傾斜やマングローブ植物の根が形作る凹凸など、複雑な地形が形づくられていて、さまざまな生物のすみかとなっています。

漫湖のマングローブ林で代表的な「メヒルギの木1本」を例に見てみましょう。木の葉が茂る樹幹部分はメジロなどの鳥類、木の幹にはイトカケヘナタリなどの貝類、板根の隙間にはフタバカクガニなどのカニ類、そして根元にはベニシオマネキミナミトビハゼが見られる・・・というように、多くの生きものの生活を支えていることがわかります。

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ヨシ原
マングローブ林の背後(陸側)には、ヨシ原がパッチ状に点在しています。ヨシ原とは、ヨシ(葦)の仲間が密生する草地のことです。一般にヨシ原は、河川敷など、淡水の地下水位が高いところにできることが知られています。ヨシ原には、リュウキュウアシハラガニやベンケイガニなどのカニ類、リュウキュウヨシゴイバンなどの水鳥が生息しています。