■ 設立の背景
漫湖は国場川と饒波川の合流地点に形成された河口干潟です。ここ漫湖は、全国的にも有数のシギ・チドリ類の渡来地であるとともに、多くの水鳥等の生息地としても重要であるという理由から、昭和52年に国設の鳥獣保護区として指定され、平成9年には特別保護地区が指定されました。
平成11年5月には全国で11番目のラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)登録湿地になりました。ラムサール条約登録後は、30以上の団体からなる「漫湖自然環境保全連絡協議会」が結成され、漫湖の環境保全に対する関心の高まりがみられました。
しかし、土砂や生活排水等の流入はやむことがなく、マングローブ林の拡大と干潟面積の縮小等の環境の変化もあり、シギ・チドリ類の渡来数と種数の減少は続きました。
このような中で、水鳥をはじめとする野生生物の保護と湿地の保全、賢明な利用について理解を深めていくための普及啓発活動や調査研究、観察などを行う拠点施設として、さらには地域住民が自然に親しみ学ぶ場として 、また各種団体の保全活動、環境調査を支援する場として、環境省が平成15年5月に漫湖水鳥・湿地センターを設置しました。
■ おもな事業内容
漫湖水鳥・湿地センターは次の4つの内容を事業の柱としています。
- 漫湖の自然についての展示、解説
- 自然保護のための普及啓発
- 漫湖における環境教育
- 調査研究
- 環境省が実施する漫湖保全事業に関する補助
漫湖水鳥・湿地センターでは、平成15年の開館以来、湿地センター内の展示案内などの日常業務の加えて、近隣の小中学校からの総合学習の支援や見学の受け入れ、自然観察会や講座、工作教室などのイベントの定期的な開催などを実施しています。また、「漫湖自然環境保全連絡協議会」や「国場川水系環境保全推進協議会」の実施するイベントなどの開催協力を行なっています。
■ 管理運営
当センターの管理運営は、環境省、沖縄県、那覇市、豊見城市の4機関で構成する 『漫湖水鳥・湿地センター管理運営協議会』が行っています。
■ 規模構造等の概要
■ 漫湖水鳥・湿地センター
- 敷地面積: 5098.95m2
- 建築面積: 543.96m2
- 延べ面積: 749.97m2
- 建築物構造: RC造2階建て
- 1階: エントランスホール・展示室・事務室・研究室・シャワー室・トイレ・多目的トイレ・湯沸し室・倉庫
- 2階: 観察展望コーナー・図書コーナー・レクチャールーム・トイレ・倉庫
■ 木道
木道は平成21年の設置以来、環境教育や調査・研究の場として、さらには市民の憩いの場として広く利用されてきました。かねてより、来館者から木道の延長を希望する多数の声がありましたが、平成24年度に延伸が実現しました。
- 占有面積: 370m2
- 延長: 264m
- 幅員: 0.9&1.2m
- 観察デッキ: 35m2